つぶてソングの集い in 南相馬III ~音楽の架け橋2019~ レポート


実施日時

2019年4月7日(日)14:00開演

実施場所

南相馬市民文化会館 大ホール

プログラム

  • つぶてソング全12曲(詩:和合亮一/曲:新実徳英)
  • 「決意」より
  • 「風を返して 土を返して」
  • 「白いうた 青いうた」より(詩:谷川 雁/曲:新実徳英)



ウィーン・フィル&サントリー音楽復興記念賞授与式

震災の年、2011年にスタートした「つぶてソングの集い」は、南相馬にて9回目を迎えました。2017年、2018年に被災地ではなく「つぶてソングの集い」発祥地・杉並で開催したことが、今回の南相馬での集いに大きな意味をもたらしたことを実感しています。「復興を願う」「風化させてはいけない」ということを、自分自身に問いかけ、集う人々みんなで考える機会となりました。そして今求められることとして「被災地と交流する」大切さを一人一人が感じ、それは美しい歌を歌い、ハーモニーをつくることを通して生まれることを実感しました。


今回の集いには、4台のバスが東京から南相馬へと向かいました。松原混声合唱団、いらか会合唱団&男声合唱団TOKEI、國學院大学フォイエルコール混声合唱団&桐朋学園芸術短期大学声楽アンサンブル、そして特筆すべきことは様々なアマチュア合唱団のメンバーや学生ほか63名が、有志合同合唱団として参加してくれました。東京からの有志63名と、地元の合唱愛好家50名によって結成された有志合同合唱団の歌声は、力強く会場に響きました。


プログラムのメインとして各々の合唱団‥‥原町第一小学校合唱部、ゆめはっと合唱団(南相馬)、F.M.C.合唱団(福島市)は、前日から作曲家・新実徳英氏の指導のもと、熱いリハーサルが繰り広げられました。本番では、原町高等学校吹奏楽部に東京から駆けつけたプロの演奏家が加わり、より充実したアンサンブルが出来上がりました。


詩人・和合亮一氏の朗読に続く出演者全員の演奏(大合唱)「風を返して 土を返して」は、音楽を愛する人たちが一体となり、「震災を風化させてはいけない」という強いメッセージを感じさせるものとなりました。心の交流、そして芸術の追求‥‥その両者があってこそ真の交流が生まれるということを、この集いを通して感じました。


(浜中康子 記)